作成日:
2024/09/24
更新日:
2025/10/17
高校生の教材・参考書選びのポイント
教材・参考書の選び方
参考書の選び方で特に重要なのは、以下の2点です。
・何のために買うのかを具体的に考える
・自分で選ぶ
化粧品や洋服を選ぶときと全く同じ考え方です。
まず、化粧品や洋服を買いに行ったときと同じように、本屋の参考書売り場に行くと、参考書にもさまざまな種類のものがあることに気づきます。
そのため、「いま自分は、何をできるようにするために参考書を買おうとしているのか」を考えてから選ばないと、数多くの参考書から適当に選んで買って勉強しても、全く結果が出ません。自分に合うかもわからないのに、適当に化粧品や洋服を買う人はいませんよね。それと同じです。
例えば、下で英語の参考書を紹介しますが、英語だけでも大きく分けて「単熟語・英文法・英文解釈・長文読解・英作文・リスニング」などの参考書があります。なので、漠然と「英語ができないから参考書を買おう」と考えても、何を選べばいいかがわからないのです。
例えば「自分は英単語はそれなりに覚えているが、長文になると全然意味がわからない。そもそも一つ一つの文の意味がよくわかっていないようなので、英文法を一からちゃんと勉強しよう」などと、具体的に考えれば、英文法を基本から解説してくれている参考書に絞って、必要なものを正しく選ぶことが可能になります。
また、「自分で選ぶ」というのがとても重要です。参考書には有名なものもありますし、周りがやっていたら自分もやらなくちゃいけない気になりがちですが、何も考えずにそれらを買うのはやめましょう。
化粧品や洋服も、いくら流行っているからといって、自分のセンスと合わないと買わないですよね。それと同じで、参考書も必ず自分で確認して、レベルが自分と合っているか、進めていけそうなレイアウトか、などを確認してから買うようにしましょう。
教材をどのように進めるか?
参考書の進め方で特に大事なのは、以下の2点です。
・アウトプットをサボらない
・買った初日に手を付ける
まず、わかりやすい参考書を買って読んでいくと、自分が賢くなったように感じるのですが、あくまでも知識はアウトプットで身につきます。
ですので、参考書の解説を読んで終わりにしたり、中に出てくる演習問題をすっ飛ばしたりはせず、必ず自力で解き切れるかを確認して、考え方が身についているかを確認しながら進めるようにしましょう。
ここで重要なのは、「解答を覚えてしまっている状態」と「自力で考え方を再現できる状態」は全く違うということです。表面的にはどちらも定着しているように見えてしまうのですが、前者は単に答えを覚えてしまっている状態なので、似たような問題に出会ったときに応用が効かなくなってしまいます。
どうしても参考書の問題だと内容や場所を覚えてしまい、本当に定着しているかわからないという人は、下で紹介するDr.okkeのようなテスト演習ができるツールに頼るのも手でしょう。
また、鉄は熱いうちに打て、という言葉があるように、参考書も買ってやる気が高まっているその日からやり始めるのが良いです。買った日に取り掛かり、今後いつどれくらいやるか、学習計画を作ってしまいましょう。そうすると、モチベーションを保ちやすくなります。参考書は買っただけでは全く力は付かない、ということを肝に銘じておきましょう。
教科別おすすめ教材・参考書
では、各教科のおすすめの参考書を絞って紹介していきます。これらの参考書を単なる一つの参考としつつ、上で書いたように必ず自分で選ぶようにしてください。
英語のおすすめ教材・参考書
長文ができない、ということで、いきなり長文読解の問題集から入ってしまう人が多いと思いますが、それだとなかなか力がつかない場合が多いです。
英語長文を読めるようにするには、
英文法のルールを知る → 英文解釈で短い文を正しく読めるようにする → 長文読解で内容を理解できるようにする
というのが基本的な流れになります。これに、英単語や英熟語の知識を足すことによって、英語の長文は読めるようになります。土台作りをすっ飛ばしていきなり長文が読めるようにはなりません。ぜひ、この流れを意識してみてください。
ここでは、英文法・英文解釈・長文読解のおすすめ参考書を紹介します。
英文法のおすすめ参考書

古くは桐原書店から総合英語Forestとして販売されていた、王道の文法書です。読みやすく、レベルも分かれているので、苦手な人にも得意な人にもおすすめできます。細かい知識が必要ない場合は、Part 1やPart 2だけ熟読して文法のルールを理解し、Part 3は調べる用に使う、といった使い方も効率的です。
ネクステージ・Vintage・UP GRADEといった学校で配られる英文法の問題集をインプット用としてやろうとする人も多いと思いますが、解説があまり詳しくないため、全体像を理解せずにこれらの問題集の答えをまる覚えしてしまうのは効率が良くないです。Evergreenのような文法書でまず理解して、これらの問題集でアウトプットすると効率よく英文法をマスターできます。
Evergreenが少し難しいなと感じる人は、大岩のいちばんはじめの英文法や、深めて解ける! 英文法INPUTがおすすめです。

古めの本ですが、ネクステージ・Vintage・UP GRADEといった学校で配られる英文法の問題集よりも、解説が圧倒的に詳しいです。関先生の英文法ポラリスも解説が詳しいですが、全解説シリーズではさらに解説中に各テーマのまとめなども散りばめられているので、より効率的に知識を整理することができるのがポイントです。
英文法以外にも、語法やイディオムの問題も多く掲載されているので、英文法を固めるという目的であれば、とりあえず語法・イディオムのセクションは一旦飛ばして終わらせるのもおすすめです。
英文解釈のおすすめ参考書

英文法の知識を使って、短い文の構造を正確に把握し、正しく訳せるようになることが英文解釈の勉強の目的です。そのためには、文の構造についての詳しい解説が必要不可欠なのですが、この入門英文問題精講では「なぜそう考えるのか」という部分が詳しく解説されており、独学であっても英文解釈の力をつけることができます。英文解釈の学習において主目的ではない英単語については、ヒントが与えられているのもポイントです。
「構造を理解する」というのが、どういうことなのかわからない人も多いかと思いますが、その場合は、サボらず全問題自分で訳を書いてみてください。正しい訳と同じように訳せていれば、構造が理解できています。
問題は72問ありますが、短い文章も多いため、全て自分で構造を説明できるように(≒ 正しく訳を書けるように)なるまで取り組んでほしい一冊です。
少し難しく感じる人には、さらに短い文で英文解釈を学べる、肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本(必修編)もおすすめです。
長文読解のおすすめ参考書

長文読解では、英文解釈のように一つ一つの文を正しく理解していく精読力に加え、全体の論旨の流れを限られた時間で読み解く速読力も求められます。参考書を選ぶ際は、これらを意識して選ぶのがポイントです。
精読でつまづいた際には、一つ一つの文の構造解説(全文解説)があると重宝しますし、速読力を上げるための音読を行うためには、まっさらな長文が載っていることが意外と大事です(問題には書き込みが残るため)。The Rulesでは、どちらも盛り込まれているのでとてもおすすめです。ただ、The Rulesの音読用の長文にはリズムをとるためのスラッシュが付いてしまっているので、音読するときは白文がいい!という人には英語長文ポラリスのシリーズがおすすめです(その分、ポラリスでは全文解説の説明がThe Rulesより若干淡白です(基本的に文型の解説のみ))
リスニングのおすすめ参考書

共通テストの配点において、英語の半分を占めるリスニング。リスニングの力を伸ばすためには、音を正しく聞き取れる前提のもと、単語力と文法力を高めていくことが重要です。この本では、その大前提となる「音を正しく聞き取る力」を鍛えることができます。
著者は、大学受験でもおなじみの安河内先生。200ページ弱でとにかく薄く、挫折しにくいのが大きなポイントです。
基礎編・演習・実践編を通して、子音や母音の発音といった音のルールから、リスニング形式での演習、さらに空港やホテルなどの実際のシチュエーションでの聞き取りに至るまで、一冊で大学受験に必要なリスニング力を鍛えることができます。
国語のおすすめ教材・参考書
現代文・古文・漢文に分けて、おすすめの参考書を紹介します。
現代文のおすすめ参考書
現代文の力を伸ばすには、基本的に
・読み方の型を学ぶ → 実際にその型を使って問題を解く
・さまざまなテーマに触れて見識を広げる
・現代文に出てくるキーワードを押さえる
といったことが必要になります。このうち上の2点について、おすすめの参考書を紹介します。
👉現代分キーワードに関するおすすめの参考書は、こちらで詳しく紹介しております!

問題数は限られていますが、一つ一つの文章に対しての解説がとても詳しく、読み方や解き方が実践的に学べる、使う人を選ばないおすすめの参考書です。頻出キーワードについてのまとめもあり、語彙の知識も確認することができます。
難関大を目指す人には、発展編や完成編も用意されているので、さらにステップアップさせていくこともできます。

英語の長文でも同じですが、現代文でも、自分が知っていたり考えたことがあったりするテーマの長文が出ると、かなり解きやすくなります。なので、現代文の解き方をある程度押さえた後は、色んなジャンルの文章を読んで、知っている背景知識や内容を増やすことが大事です。そこでとても役に立つのがこの参考書です。
入試で頻出のテーマの文章とその構造解説が、見開き1ページに簡潔にまとまっているので、ガッツリ現代文の問題を解く時間のない日でも、文章を読んで、重要テーマの背景知識の確認と構造把握の練習ができてしまいます。少し古くなってしまいましたが、なかなか他に似た参考書を探すのが難しく、とても有益な参考書です。
古文のおすすめ参考書
古文を読めるようにするには、英語と同様、
古文文法のルールを覚える → 読解で内容を理解できるようにする
というのが基本的な流れになります。これに、古文単語の知識を足すことによって、古文は読めるようになります。また、余裕があれば古文常識までやっておくと、現代文と同様、背景知識があることにより長文が読みやすくなります。
古文文法は正直なところ何を使ってもあまり差はないと思いますが、冒頭でも触れた通り、アウトプットが無いと知識が定着しないので、ステップアップノート30古典文法基礎ドリルなど、演習問題がある参考書の中から自分に合ったものを選ぶと良いと思います。
ここでは、長文読解系のおすすめの参考書を紹介します。

古文読解の参考書では、英語の長文問題集と同様、一つ一つの文の品詞分解の解説がついていると、どこで読み間違っていたかがわかり、復習がしやすいです。その意味では、この参考書の他にも、岡本梨奈の古文ポラリスのシリーズや古文レベル別問題集のシリーズもおすすめです。
そんな中、この古文上達基礎編を取り上げたのは、文法事項の復習ができる点が優れているためです。それぞれの長文読解の問題の前に、文法事項のチェックが付いており、知識の抜け落ちが無いかを確認することができます。
また、古文読解の参考書の中には、古文の読み方を学ぶ古文解釈系の参考書も多いですが、英語と違って、あまり解釈に時間を掛けなくても読解演習の中で一緒に身につけやすいと思います。ですので、上で紹介した長文読解系の参考書をやってみて、もし厳しいようであれば解釈の参考書を挟むのが良いかもしれません。その場合は、例えば富井の古典文法をはじめからていねいに、マドンナ古文、岡本梨奈の1冊読むだけで古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本がおすすめです。
漢文のおすすめ参考書
漢文も、古文と同様、
句形などのルールを覚える → 読解で内容を理解できるようにする
というのが基本的な流れになります。
古文に比べると覚えなければならない知識の量が多くないので、1冊で知識と読解の勉強が網羅できる参考書も多いです。ここでは、そんな中からおすすめの参考書を紹介します。

この参考書は、2つの部分に分かれており、前半で漢文の句形などの知識、後半で実際の読み方を学ぶことができるようになっております。タイトル通り、1冊でこれらが完結できてしまいます。
他にも、漢文道場(基礎編)なども同じコンセプトで知識と読解を合わせて学ぶことができるようになっているため、ぜひ自分に合ったものを選んで取り組んでもらえたらと思います。
数学のおすすめ教材・参考書
数学は、大まかに解法の定石と計算力を身につけることで結果が付いてきます(最難関大の場合は、そこに発想力の上積みがより必要になってきます)。ですので、
・自分のレベルにあった参考書を選ぶこと
・最後の答えが合うまで自力で解き切ること
がとても重要です。
特に数学の場合、難しい参考書に手を出しがちなので要注意です。青チャートが配られる学校も多いかと思いますが、特にコンパス4以上の問題は、多くの大学受験生にとって解説を理解するのが難しいと思います。できるようになる方法は1通りではないので、無理せず、自分が理解できる参考書で学んでいきましょう。
また、わからなければ解説を見ますが、解説を見て終わりではなく、自力で考えて最後まで解き切れるかをサボらずに確認することが大事です。これにより、解法が本当に身についているかを自分で確認できますし、計算ミスの場所を自分で特定して直していくことで計算力も上がっていきます。地道ですが、ここに近道はありません。
ここでは、いろいろな用途別におすすめな参考書を紹介します。

この参考書は、問題演習のみならず、各単元の導入から詳しく解説されているのが大きなおすすめポイントです。各単元の内容を理解した上で、取り組みやすい問題かつわかりやすい解説で知識を定着させていけるので、先取り学習や、弱点克服にとても役に立ちます。
全然理解できていない弱点の単元だけ取り組む、といったピンポイントな使い方もおすすめです。

頻出テーマの問題がぎゅっと厳選されており、例えば模試の前にざっと全分野を演習したり、過去問と併用して苦手分野だけを特訓したり、さまざまな使い方ができる名脇役的なポジションの参考書です。
何より他の参考書と比べて群を抜いて薄いのがポイントで、途中で挫折するリスクが低く、取り組みやすいのが大きな特徴です。

学校の傍用問題集や、黄・青チャートの例題がある程度解ける方が、過去問のレベルとのギャップを埋めていく上で、とてもおすすめな問題集です。
応用レベルの頻出テーマの良問が必要最小限の問題で網羅されており、解説も詳しく、別解もたくさん紹介されているので、1問からさまざまな学びを得ることができます。汎用的ではありつつもほどよく難しい問題が多いので、解法の定石をひたすらストックする段階から、それらを用いて発想力を鍛えていく段階に、スムーズに頭を切り替えてくれます。
なお、「理系数学」の良問プラチカ 数学ⅠAⅡBC よりも、「文系数学」の良問プラチカ 数学ⅠAⅡBC の方が難しいので、注意してください。最難関大を目指す方以外は、文系の方であっても「理系数学」の良問プラチカを使うのがおすすめです。
また、同じくらいのレベルで、さらに問題数が欲しいという人には、毎年4〜5月頃に出版される新数学スタンダード演習がおすすめです。大学への数学シリーズで、解説に若干クセはありますが、問題なく読みこなせるようであれば、数多くの良問で鍛えることができます。数学IIICに関しては、プラチカよりもスタンダード演習の方が、クセのない問題が多い印象です。

数学Ⅲの微積分に特化した、理系の方にオススメの参考書です。128ページと薄いのですが、第1部ではタイムトライアルもできる計算訓練、第2部では微積分のさまざまな知識解説、第3部では微積分の頻出テーマの問題演習が盛り込まれていて、1冊でいろんな使い方ができて、一気に微積分の実力を引き上げられる参考書です。
メインとしては、第3部の厳選された良問による演習を通じて微積分の解法の定石を押さえていくという使い方をおすすめしますが、計算が怪しい人は、まず第1部から取り組み、ぜひ計算力を強化しましょう。第2部は読み物的に使うのがおすすめです。
ただ、大学への数学のムック本であり、読む人を選ぶ解説ではあると思うので、読みこなせるかの確認は必要かと思います。
分野ごとのポイントとおすすめ参考書
高校数学において、特に重要な分野の押さえておくべきポイントや公式まとめ、おすすめの参考書について、それぞれの記事でさらに詳しく解説しています!
数Ⅰ 三角比
数Ⅱ 指数関数
数Ⅱ 三角関数
数B 数列
数C ベクトル
理科のおすすめの教材・参考書
理科に関しては、数学と同様、解法の定石と計算力を身につけることで結果が付いてきます。ですので、
・自分のレベルにあった参考書を選ぶこと
・最後の答えが合うまで自力で解き切ること
がとても重要です。ただ、数学と比較して、公式を単に当てはめるというよりは、運動の様子や実験の内容を理解して、どの式を使うかを見極めることが必要になってくるため、やみくもに問題を解き進めるのではなく、まずはしっかりと単元の内容を理解し、イメージをつかんだ上て演習を進めることがとても重要です。
その際、とてもおすすめなのが「授業動画」の活用です。新しい概念を、参考書のテキスト情報で理解していくことはなかなか難しいですが、映像で学ぶことで飛躍的に理解しやすくなります。YouTube上の良質な授業動画を、単元別・レベル別に探せる無料アプリokke(web版 / アプリ)など、便利なツールも使いながら、ぜひ授業動画で効率よく理解していきましょう。
ここでは、物理・化学・生物に分けて、おすすめの参考書を紹介します。
物理のおすすめ参考書
物理の学習では、上でも触れた通り、イメージをつかむことがとても大事です。内容がよくわかっていないまま大量の問題を解くよりも、少なくても良いので良質な問題でじっくり演習しながら、何をやっているかを理解するようにすれば、他の問題にも応用が効き、一気に成績が上がることも珍しくありません。
そのような学習を進めていく上で、例えばこの参考書がおすすめです。

これは、基礎レベルではなく、学校で配られるリードαなどの網羅系の傍用問題集の基礎問題が解けるようになってから取り組む、受験標準レベルの問題集ですが、おすすめポイントはなんといっても問題の質です。
問題の出典が「〇〇大+〇〇大」のようにブレンドされていることも多く、1問から多くのエッセンスを吸収できるよう、汎用的な良問にアレンジされています。読む人を選ばないオーソドックスな解説で、問題数も154問に凝縮されているので、全て解いて物理の実力を引き上げるもよし、直前期に弱点分野だけ固めるのもよし、いろいろな使い方ができる問題集です。
レベル的に難しく感じる人には、入門問題精講がおすすめです。
化学のおすすめ参考書
化学の学習でも、物理と同様、イメージをつかみ、何をやっているかを理解して演習を進めることがとても大事です。ただ、物理よりは暗記しないといけない事柄も多いため、演習量は多く取る必要があります。
ここでは、イメージをつかみ、単元の内容を理解するためにおすすめな参考書と、演習を進める上でおすすめの市販の問題集を紹介します。学校で配られるセミナーなどの網羅系の傍用問題集もとても有用なので、合うものを進めてもらえたらと思います。

理科の最初に触れた通り、新しい概念を一から学ぶのであれば、映像授業を見るのが一番効率が良いと思いますが、テキストでも学んでいける人の独学用や、一通り習ったがよくわからない人の頭の整理用にとてもおすすめの参考書です。単なる暗記ではなく、「なぜそうなるのか」という理由がなるべく詳しく書かれており、納得しながら進めていくことができます。理論化学以外にも、無機化学(福間先生)、有機化学(鎌田先生)版もありますが、全ておすすめです。
理科については著者による説明の個人差があるので、もし理解しづらいようであれば、坂田薫のスタンダード化学シリーズもおすすめです。

いわゆる「新標準演習」と呼ばれ、各単元の要点のチェックから、受験頻出の標準問題の演習まで、これ一冊で完結するおすすめの問題集です。学校で配られるセミナーなどの網羅系の傍用問題集の問題数を少し絞り、解説を詳しくしたようなイメージです。
最難関大を目指す人は、1つ上のレベルの化学の新演習もおすすめですが、多くの受験生にとっては新標準演習で十分だと思います。また、1つ下のレベルの化学の新基本演習もありますが、新標準演習とそこまでレベルの差は無いため、ピンとくる方に取り組むのが良いと思います。
問題数が多いなと感じる人には、入門問題精講や基礎問題精講をおすすめします。
また、化学の新標準演習と同じ著者の卜部先生が出されている化学の新研究という参考書も、難関大を目指す人や、きちんと理解したい人にはとてもおすすめです。分厚いですし一から全て読む必要はなく、映像授業や参考書を進める中で気になった点を辞書的に調べていくと、化学がどんどん好きになると思います。
生物のおすすめ参考書
生物については、化学と基本的には同じ流れで進めていくと良いでしょう。つまり、イメージをつかみ、何をやっているかを理解して演習を進めることがとても大事ですが、暗記しないといけないことも多いため、演習量を多く取る必要があります。
ここでは、演習を進める上でおすすめの参考書を紹介します。
![生物[生物基礎・生物]入門問題精講](https://framerusercontent.com/images/ZZGRhsr62VyQMdPp6DFd55VzQw.jpg)
まず前提として、学校で配られるリードαなどの網羅系の傍用問題集が最強です。解説も配られているのであれば、演習量は傍用問題集で十分確保できるので、ぜひ活用してください。
ただ、市販だと新過程版のこのような傍用問題集がなかなか入手できないのが現状で、その場合には問題精講シリーズがおすすめです。解説が詳しく、ポイントを効率的に押さえながら演習を進めることができます。
また、生物に関しても、新しい概念を一から学ぶのであれば、映像授業を見るのが一番効率が良いと思いますが、テキストでも学んでいける人の独学用や、一通り習ったがよくわからない人の頭の整理用には、生物合格77講、大森徹の最強講義126講 生物などがおすすめです。それぞれ田部先生、大森先生の著書ですが、各先生は他にも多くの参考書を出されているので、同じ先生の問題集で演習を進めていくのも良いと思います。
社会のおすすめの教材・参考書
社会については、
考え方や流れをつかむ(通史や、系統地理の考え方など) → 知識を入れる
というのが基本的な流れになります。やみくもに一問一答などで知識を入れても、断片的になってしまい、よく練られた受験問題は突破できないので注意が必要です。
また、知識を入れる段階では、冒頭でも触れた通りアウトプットが無いと知識が定着しないので、本当に定着しているか不安な場合は、下で紹介するDr.okkeのようなテスト演習ができるツールに頼るのも手でしょう。
ここでは、地理・日本史・世界史・公民で、考え方や流れをつかむ上でおすすめの参考書を紹介します。
地理のおすすめ参考書

系統地理編と地誌編の2冊で構成されています。おすすめポイントとしては、なんといっても圧倒的な読みやすさです。単なる暗記ではなく、背景を理解して頭に入れていくことができます。
わかりやすいがために、読んだだけでできるような気になってしまいがちなので、単元ごとなどで区切って、しっかりとアウトプットも入れて、知識を定着させていくようにしてください。一問一答集や、下で紹介する集中講義などの問題集と併用するのがおすすめです。
また、同じタイプの参考書として、大学入学共通テスト 地理総合、地理探究の点数が面白いほどとれる本もあり、こちらは同じ瀬川先生が出している問題集もあります。自分に合った方を進めてみてください。
日本史のおすすめ参考書

教育系YouTuberのムンディ先生が出されている、通史を理解するための参考書です。動画でのわかりやすさをそのままに、参考書のタイトルの通り、読んでいくととてもスムーズに歴史の流れが理解できます。世界史版もあり、そちらもとてもおすすめです。
独学で進めるもよし、学校の授業でよくわからなかったところを定期テスト前に一気に復習するもよし、いろんな使い方ができる参考書です。
こちらも、わかりやすいがために、読んだだけで日本史ができるような気になってしまいがちなので、単元ごとなどで区切って、しっかりと一問一答集などのアウトプットも入れて、知識を定着させていくようにしてください。

一問一答集では、山川・東進・Z会のものも有名ですが、この旺文社の一問一答の大きな特徴は、レベル分けされている点です。
他の一問一答集では、問題ごとにレベルが振られているため、難しいものまで覚える必要がない場合には、その問題を飛ばしていく必要があります。そのため、人によっては学習計画を立てにくかったり、進めにくかったりといった状況も出てきます。その点、こちらの旺文社の一問一答では、レベルによって章やページが分かれているので、とても進めやすくおすすめです。日本史以外にも、地理・世界史・公民版もあります。
世界史のおすすめ参考書

世界史の通史を学習していると、世界という舞台の話になるので、どうしても、同じ時代にどこで何が起きていたのか、どのような前後の流れで起こったのか、を理解するのが難しいです。教科書や参考書でも、基本的には各章で一つの場所や時代を扱うので、流れを見失いがちです。そこでとても役に立つのがこの資料集です。
タイトルに「流れ図」とあるように、資料集の各見開きページに、時代の前後の流れや、他の地域の年表が入っており、世界史の流れを縦でも横でも捉えることができます。似たタイプの資料集としてタペストリーもありますが、ヒストリカはより流れに特化したような資料集です。授業動画・教科書・参考書などによる通史の学習のおともとして、とてもおすすめです。
公民のおすすめ参考書

共通テストの対策本は多く出版されておりますが、この集中講義の特徴はなんといっても「講義」と「演習」がセットになっている点です。
講義のセクションでは、押さえておくべき必要な知識が必要十分にまとめられており、知識の復習や整理ができます。また、演習のセクションでは、実際の共通テストの問題などをもとに、実践的な演習ができ、詳しい解説で正しい解き方や考え方を身につけることができます。
公共、政治・経済のみならず、地理・日本史・世界史・公共倫理といった他の科目でも出版されており、どの科目を選択していてもおすすめです。
情報のおすすめの教材・参考書
情報の学習については、化学や生物と近いイメージを持つと良いと思います。知識の定着に重きを置くべき単元もあれば、デジタル表現やプログラミングなど原理原則を押さえて応用させていくことが大事になる単元もあります。そのため、授業動画や参考書で概要をつかみ、必ず演習でのアウトプットにより知識を定着させていくことが重要です。
ここでは、イメージをつかみ、単元の内容を理解するためにおすすめな参考書と、演習を進める上でおすすめの市販の問題集を紹介します。

読みやすい口調の解説と、簡単な演習問題で定着させながら進めていけるのがポイントの、1冊目におすすめな参考書です。
タイトルの通り、ゼロから学んでいけるので、独学の方にもおすすめです。

詳しい内容まで網羅した、共通テスト対策の講義型参考書です。対応する授業動画も見ることができ、理解が進みます。
演習問題は掲載されていないので、単元ごとに別の問題集などで演習し、アウトプットを欠かさないようにして、知識を定着させられるようにしましょう。

情報Ⅰの問題集は現状では基礎的なものが多く、応用レベルの問題集が少ないのですが、この問題集は応用レベルの細かい知識を扱っているという意味で貴重な1冊です。上で紹介したゼロから始める情報Ⅰや、他の基礎的な問題集で知識を定着させた後に、共通テストに向けてワンランク上の知識を手に入れるために最適な問題集です。
ただ、共通テストで高得点を狙うには、より長文の実践的な問題に慣れる必要があるため、下の実践対策問題集など、過去問を中心とした演習が必要となります。

従来のセンター試験や共通テストの情報関係基礎の実際の過去問や、情報Ⅰの試作問題をテーマ別に演習できる、他に類を見ない素晴らしい実践問題集です。
共通テストで高得点を狙うには、知識を身につけた後に、長いリード文を読みこなす読解力と考える力が問われる実際の形式に慣れていく必要がありますが、そのための問題集としてとてもおすすめです。基礎問題と実践問題の2ステップに分かれており、問題数も103問と充実していますので、この1冊で共通テストに向けてしっかりと対策をしていくことができます。
参考書をどのように活かすべきか?
ここまで紹介してきた通り、素晴らしい参考書がたくさんあるので、自分にとって本当に必要な参考書に取り組めば、飛躍的に実力を伸ばしていくことができます。
そのためにも、初めに触れた通り、「いま自分は、何をできるようにするために参考書を買おうとしているのか」を考えて、必ず自分で選ぶようにしましょう。目的を考えずとりあえず適当に参考書を選んだり、周りがやっているからという理由で参考書を選んだりしても、全く結果が出ません。
また、参考書学習でよくやってしまうのが、「読んで理解しただけで、できる気になってしまう」という間違いです。読んで理解できることと、自分で再現して解けるようになることの間には、とても大きなギャップがあります。わかりやすい参考書であればあるほど、読んで終わりになってしまうことが多いので、成績はアウトプットで伸びていくんだということを常に意識して、サボらず自分で解き直したり、演習用の問題集を活用したり、下で紹介するDr.okkeのようなテスト演習ツールを活用したりして学習を進めていくようにしましょう。
学習塾での参考書の扱い方
学習塾では、生徒のモチベーションを上げて、生徒の現状にあった参考書に取り組んでもらい、定着させていくことが求められます。
問題数の多い学校の教材だと、なかなかやる気が上がらない子も多いかと思いますが、その場合には、同じレベルの薄い参考書を勧めたり、ICTツールを活用したりすることでやる気が上がることもあるでしょう。
また、生徒の「やった」「わかった」という言葉には大きな個人差があり、自分で解けるまで定着しているかは全くの別問題です。あくまでも、自分で考え方から最後の答えまで再現できるまで定着していることがゴールなので、単に生徒に「参考書をどれくらい進めたか」を聞いて確認するのではなく、テスト形式の演習で実際に解いてもらって、「どれくらい定着しているか」を客観的に確認することが重要で、ここに先生の大きな価値があると言えます。
生徒としても、ただ参考書を読み進めていくよりも、テスト形式の演習で短期目標があった方が、学習のモチベーションが大きく高まるでしょう。
Dr.okkeとは

とはいえ、塾でテストを作って、採点して、エクセルに打ち込んで、というのはとても大変ですし、先生の個人差も出てしまいます。
そこで、参考書と合わせて簡単に良質なテストが作成でき、参考書の定着度合いを客観的に確認できるテスト演習ツール「Dr.okke」をご紹介します。
Dr.okkeは、1分であらゆるテストが作成でき、採点、データ分析まで一連の流れをすぐに行えるため、先生方の負担を大幅に軽減しつつ、生徒に個別最適な指導を行うことができます。
生徒のレベルや目的に応じて、ランダムにテストを作成したり、自分で問題を選んでテストを作成できたりするため、手間が大きく省けます。

(出題範囲・レベル・問題数・制限時間などを柔軟に選択できる)
加えて、テストを受けた直後に自動採点で結果が表示され、それぞれの問題に、手書きの図や別解なども含めた詳しい解説も付いているため、生徒の理解が深まります。
テストの結果は瞬時に先生にも共有され、生徒の理解度を詳細に分析したり、タイムリーな声掛けを行ったりすることで、生徒もモチベーションが上がります。過去のテストのデータも自動で蓄積されていくので、保護者様への共有も簡単にできます。
また、生徒ごとに、客観的なデータが自動で蓄積されていき、対策すべき単元などが一目で分かるので、参考書の学習計画も立てやすくなります。解けていない問題のみでの出題も可能です。

(各生徒の到達度の分析や、弱点に絞った個別最適なテストの作成もできる)
実際、Dr.okkeを導入した多くの校舎で、テスト形式の演習教材として利用いただき、成績アップの事例が続々と出ています。
Dr.okkeにはすでに主要5教科+情報Ⅰが網羅されており、あらゆる参考書と併用させて演習やチェックテストを行うことが可能です。
導入費用が無いため、1人からでも導入でき、現在無料トライアルも実施中です。Dr.okkeにご興味のある方はこちらのリンクからお問合せください!
参考書学習にお悩みの先生方は、ぜひDr.okkeの活用をご検討ください!
執筆者
株式会社okke代表。ラ・サール中高、東京大学工学部計数工学科卒。
財務省に勤務したのち、アメリカ・UCLAでMBAを取得し、能動的に学ぶ人を社会に増やすべく、okkeを起業。
Dr.okkeのコンテンツを作っています。




