現代文の対策が難しい...

「現代文の成績にムラがある…」
「他の教科に比べて、何を勉強すればいいのかわからない…」

国語という教科の一科目であることから時間も割きにくく、そう感じている受験生・先生方は多いのではないでしょうか。

手堅く漢字を勉強するのはもちろんですが、入試の配点も文章そのものを正しく理解することに重点が置かれており、文章そのものを正しく理解することが非常に重要です。

 さらに、2025年度共通テストからは、新たに「実用的な文章」が出題範囲に加わり、報告書・法令文など、高校生にとっては馴染みのない文章が今後も出題されることが予想されます。そのため、高校生だけではなく指導する先生方も対策に悩む場面が増えています。

この記事では、過去の共通テスト出題例を挙げながら、現代文の実力を短期間でアップさせるための勉強方法を徹底解説します。

なぜ現代文の対策が難しいのか？

現代文は、よく「著者や登場人物の気持ちを読む科目だから、当たり外れがあって苦手。」といわれますが、これは一部誤りを含みます。
もちろん、著者や登場人物の気持ちを読もうとすると、当たり外れがあって当然です。

 しかし、本質は違います。現代文は 文の論理構造を把握する科目 です。文の論理構造を把握するにはテクニックがあり、これらのテクニックを使いこなす訓練をおこなうことで、安定して得点することは十分可能になります。

テクニックの例

• 指示語（「これ」「それ」など）が何を指すのかを正しくつかむ

• 文中の対比や言い換え構造を理解する

• 「つまり」「要するに」のあとに出てくるまとめを見逃さない

このように、テクニック（コツ・定理）を使って論理構造を把握する解き方は、数学と似ている、とさえ言われています。

現代文キーワードを知ることの重要性

ただ、上記の方法は地道に積み上げる訓練が必要で、即効性という意味では優先度が劣ります。また、現代文に時間をかけられない理系の受験生もいることでしょう。そこで、短期間で実力を伸ばすうえで効果的なのが、頻出の現代文キーワードを頭に入れる ということです。これは、初見の現代文の文章理解度を短期間で底上げする、いわばチートのような方法です。

たとえば、次のような文章を読んでみましょう。

【　】は常に一枚岩ではなく、家庭での役割と学校での姿、社会での立場の間で揺れ動く。時に矛盾を抱え、時に重なり合いながらも、その摩擦こそが新しい【　】を生み出す。

ここで「【　】に入るのはアイデンティティだ」と気づけた方もいるでしょう。
それは、「アイデンティティ」という言葉の意味や背景知識をすでに熟知しており、さらにどういった文脈での使わることが多いのかを知っているからです。そういう人にとっては、この文章は特に難解ではなく、平易な文章のように見えるでしょう。

しかし、アイデンティティとは、

「自分は自分であると自覚すること」「連続性のある自己認識を持つこと」「自分の価値を他者に認められること」などを意味する表現である。

weblio辞書より引用

というように、概念自体が難解であり、高校生が実感を持ってこの概念を理解することは容易ではありません。意味を熟知し、文脈も推測できるようになるまでには、「アイデンティティ」という言葉が使われる場面に何度も出会い、慣れることも重要です。つまり、年単位での膨大な時間が必要になります。

ここで、アイデンティティという言葉を

「自分らしさや個性のこと」

Dr.okke 現代文キーワード 評論語句 カタカナ語系 (基礎) より引用

と言い換えることができればどうでしょうか。

たとえ「アイデンティティ」という概念や文脈を深く理解していなくとも、十分理解可能な文章となります。

「アイデンティティ」は、現代社会における多様な価値観や自己の確立といった論点を深く理解しているかどうかが問われることが多い共通テストの現代文において、非常にホットで頻出テーマです。このような重要なキーワードを予め頭に入れておくことは、初見で出会った文章を読みとくうえで、非常に有利になります。

つまり、キーワードを知っているだけで文章理解が一気にスムーズになる のです。

共通テストの実例

続いて、共通テストでの実例を見てみましょう。令和7年度 共通テスト 国語では「ロマン主義」という言葉が登場しました。

アーリは、山の頂上や森の奥など、他の観光者がいないことがその場 所の観光的価値を高めるような状況を「ロマン主義的まなざし」と呼び、それに対して、他の観光者も同じ場所に来ているという 事実がその場所の観光的価値を高める状況を「集合的まなざし」と呼んだ。

令和7年度共通テスト 国語 第1問より引用。高岡文章「観光は『見る』ことである／ない『観光のまなざし』をめぐって」より。

大人でも馴染みの薄いこの単語ですが、意味を知らないままなんとなく、浅い理解のまま読み進めてしまいそうになります。

しかし、ここで「ロマン主義」の意味が

感情や想像力を重視し、既存の価値観に反発した芸術思想」

Dr.okke 現代文キーワード 評論語句・思想系(応用)より引用

と知っていればどうでしょうか。
直前で述べられている「互いが互いの観光を邪魔しないような高度なコニュニケーション」を指していることを理解できるため、直前が「ロマン主義的まなざし」をもった行為、すなわち、旅先そのものの風景や純粋なその土地を味わいたい、という感情や想像力を重視したまなざしとして著者が捉えているとまで理解を深めることが可能になるのです。

おすすめの現代文参考書・単語集

現代文の得点力を安定させるには、現代文キーワードを体系的に学べる参考書を使うのが近道です。ここではレベルや目的に応じて、おすすめの参考書を紹介します。

1. 【受験生の定番】Z会『現代文キーワード読解』

• 受験生の定番中の定番。小さく持ち運べるサイズで、スキマ時間での勉強にも最適。

• 例文や出題例が豊富なので、実際の試験にて文中で登場したときも、戸惑わず対応する力をつけることができます。

• 難関大志望者から共通テストレベルまで幅広く対応可能。迷ったらまずはこれを選べば間違いありません。

2.【理解度向上】文英堂『読み解くための現代文単語』

• イラストが豊富で、現代文で登場する難解な概念もイメージとして理解しやすくなっています。

• 頻出テーマごとに「テーマ解説」コーナーが用意されているため、頻出語句の背景知識まで理解を深めることができます。

• 一般的な「評論」編に加えて、「小説」編も収録されているため、小説読解の成績向上にもおすすめです。

  
  

3.【小論文対策にも】いいずな書店『現代文単 げんたん』

• 幅広い分野の頻出語句が収録されており、特に「パリ協定」などといった時事系語句も数多く収録されています。

• 確認問題が見開きごとに用意されているため、覚えた単語をすぐにアウトプットし記憶に定着させることができます。

• 終章に収録されている意見論述編では、マインドマップやマトリックスといった思考整理の方法も掲載されています。小論文対策としてもおすすめです。

4.【時短で対策】KADOKAWA『読解力・得点力が上がる 現代文重要キーワード333』

• 厳選した最重要キーワードを333に加え、それらの派生語や一般語をあわせて、888用語を掲載。

• 英単語帳のように、語句と意味が1対1でわかりやすく記されており、重要語句を網羅的に理解しやすい構成になっています。

• 現代文対策に時間を避けられない理系の生徒さんにもおすすめ！

【演習量を積みながら理解を深めるなら！】塾の先生向けDr.okke

上記のような単語帳学習において、一番の課題となるのが理解度チェック。特に現代文キーワードは、読み物のような参考書が多いため、実際に自分の知識として身についているかを確認するのが難しいです。

また、単語帳で繰り返し勉強するうちに、単語が書いてあった場所や出題順と合わせて覚えてしまう...。かといって、毎回シャッフルされた確認テストを作るのは大変...。そんな先生の悩みを一発で解決してくれるのが、「良質なテストを1分で作成できる」Dr.okkeです。

Dr.okkeでは、出題範囲と難易度・問題数を選択するだけで、確認テストが配信できます。配信された問題を、生徒はタブレットやスマホで受験。受験が終わると自動採点され、そのデータは蓄積されるので、理解度チェックにかかる手間を大幅に削減することができます。

さらに、非常に詳しい解説つきで、Dr.okkeのテストをこなしていくことで着実に実力をつけていくことができます。

加えて、2025年10月より新たに読解問題を追加しました。定着問題で学んだ単語を、長文中で使用場面や文脈とともに確認しながら、実践的に理解を深めることができます。

Dr.okkeの現代文キーワードで、今すぐ現代文の点数底上げをはかりませんか？

まずは即日開始できる無料お試しから、使い勝手を実感してみたください。

👉無料お試しはこちらから

↑先生の作問画面。範囲と難易度の設定が可能。自分で問題を選ぶことも、シャッフルで出題することも可能。

↑生徒受験後の解説画面。例文まで記載されている。

↑生徒ごとに、理解度に伴った到達度を可視化。

↑読解問題では、定着問題で学んだ単語を、長文中で使用場面や文脈と合わせて実践的に理解を深めることができる。

まとめ：高校生が現代文を攻略するために

現代文の出題文は、高校生向けに書かれたものではなく、専門分野を学ぶ大学生向けに書かれた論文や評論・また社会人向けに書かれた実用書などが多く採用されています。
そのため、受験生にとっては馴染みのない語彙や概念が多いのは当然です。

だからこそ、現代文キーワードを事前に押さえておくことが圧倒的に有利 になります。

• 現代文は「論理構造を把握する力」と「キーワードの理解」がカギ

• 頻出キーワードを覚えるだけで文章理解の精度が大きく向上する

• 自分に合った参考書を選び、演習と組み合わせることで得点力を飛躍的に伸ばせる

現代文は「センスの科目」ではありません。 正しい方法で知識を得て訓練を積めば、誰でも得点源にすることができます。

こちらの記事が、受験生と受験生を導く・伴走する先生方の一助となることを願っております。